【ブランド紹介 Vol.2 】FUTAGAMI
こんにちは。
第2回目のブランド紹介は、真鍮製の生活用品を数多く取り扱う「FUTAGAMI」をご紹介いたします。
FUTAGAMIは、富山県高岡市の鋳物メーカー「二上」より生み出されたブランド。
富山県高岡市は、江戸時代初期より鋳物の産地として栄え、高岡銅器は伝統工芸品として指定されています。
そんな鋳物の町で、1897年(明治30年)に創業した「二上」。
創業当初からの熟練された技術を現在のプロダクトに採用し、全て人の手によって製作されています。
「 5つの製作工程 」
FUTAGAMI製品は、砂型鋳込みという粒子が細かな砂型を使った生型法で鋳造しています。
鋳造工程は大きく分けて5つ。
1.型込め
鋳造用の原型を使って砂型を起こします。
2.鋳造
約1,100℃で溶解して成分を調整した真鍮を砂型に流し込みます。
3.型ばらし
砂型を砕いて鋳物を取り出し、湯道(溶かした真鍮を流し込んだ通り道)など不要な部分を取り除きます。
4.仕上げ
鋳肌の表情をこわさないようにヤスリやペーパーを使って仕上げていきます。
5.検品
鋳肌の表情や全体の雰囲気とバランスを重視し、仕上がりを確認します。
鋳造の作業は毎日夕方に行われており、熱く重い溶けた真鍮を一定の量で素早く砂型に流し込んでいきます。
製品によって注ぐ量やスピードを変え、調整することで美しい製品となります。
決して簡単な作業でなく、繊細さと力、根気のいる作業なのだそう。
また、削り作業のある製品や製品の色味によって金属の配合を変えて鋳造をしています。
それぞれの製品にきちんと向き合い、ひとつひとつ丁寧に作り出されていることがわかります。
FUTAGAMIは大量生産をせず、作る人・使う人のバランスを取り戻す「手工業・中量生産」を目指してものづくりを担っているため、全ての工程が人の目を通し、人の手によって行われています。
機械で生み出される無機質な自動生産品よりも、あたたかみがあり、製品に対する思いを感じられるものばかりです。
さっそく、ハナレでセレクトした製品をいくつかご紹介させていただきます。
■箸置き 閃光 2個入
「光」をテーマにデザインされた「閃光」という名の箸置き。
曲線と直線が綺麗で、つい見とれてしまいます。
専用の木箱に入れて収納できる為、使っていないときもすっきりとしまっておけます。
■鍋敷き 月 太陽 銀河 星
真鍮のもつ色味を「月」「太陽」「銀河」「星」に見立てた鍋敷き。
テーブルに置くだけで食卓が華やかになります。
左:星 右:銀河
左:月 右:太陽
サイズもそれぞれ違うので、用途に合わせてお選びいただけます。
■カトラリーシリーズ
持ち手は真鍮の素材感を存分に感じていただける鋳肌仕上げ、口に含む部分は銀メッキを施したカトラリーシリーズ。
真鍮のゴールド色と銀メッキのシルバー色のコントラストが美しく、口当たりも艶やかです。
■ペンダントランプ円錐長削り出し 黒ムラ / 鋳肌
鋳肌仕上げと黒ムラ仕上げの2色展開のペンダントランプ。
高さのある細身の円錐でシンプルなデザインですが、存在感のある佇まいで空間を引き締めてくれます。
「 鋳肌仕上げ 」
FUTAGAMIはほとんどの製品を「鋳肌仕上げ」という方法で仕上げています。
鋳肌仕上げとは、鋳造後、型から取り出したままの鋳物の表面の状態(鋳肌)をなるべく損なわず、鋳物特有の表情として表現したものです。
真鍮が持つ風合いや特性、鋳込んだ時(金属を溶かして鋳型に流し込む)に起こる金属と鋳型の化学反応などもデザインとして活かしています。
また、表面に酸化防止などの塗装をしないため、使い込むほどに独特の味わいが出て、日々の生活に馴染んでいく様子を楽しむことができます。
「 黒ムラ 」
ランプシェードで多く見られる「黒ムラ」という着色。
この着色方法は、高岡鋳物が長年培ってきた真鍮の伝統的な着色技法です。
一般的な塗装や黒メッキなどの着色とは異なり、漆をベースに顔料を混ぜて調合した塗料で着色し、熱を加えながら、刷毛を使って「おはぐろ」を擦り込み、ムラや表情をつけていくというもの。
仏具や仏像を昔から手がけてきた高岡鋳物に古くから伝わる着色技法なのだそうです。
こちらも全て手作業で着色をしているため、ひとつひとつ色の出方が違い、表情もさまざま。
鋳肌仕上げ同様、使えば使う程に味わいが深まり、経年変化を感じていただけます。
真鍮は、経年変化によって深まる風合いが人々と共生しているような感覚にさせてくれるように思います。
FUTAGAMIはそんな真鍮の魅力を、もっと身近に、毎日手で触れる製品で伝えています。
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